2016年4月16日に発生した熊本地震による南阿蘇村周辺の斜面崩壊事例

摘要

4月14日21時26分以降に発生した熊本県を中心とする一連の地震活動は「平成 28年熊本地震」と呼ばれ，多大な被害をもたらした。4月30日現在の被害状況は，死者66名，住宅被害17，526棟，火災16件である（総務省消防庁，2016）。図-1に活断層分布（中田?今泉，2002）および震央分布（防災科学技術研究所，2016）を示す。特に多くの被害を及ぼしたのは，前震とされる平成28年4月14日21時26分頃に発生した地震（マグニチュード6.5）と，本震とされる平成28年4月16日1時 25分頃に発生した地震（マグニチュード 7.3)であった。熊本県南阿蘇村周辺で発生した斜面崩壊はこの本震とされる地震により発生したと考えられている。ここではこの南阿蘇村周辺で発生した斜面崩壊を対象に，調査の結果を報告する。