災害対応における心理的な課題

摘要

気象学や土木工学が発展し,社会の情報化が進hでも,それらが適切な避難行動に結びっかないことがある。たとえば,集中豪雨とそれにょる土砂災害のリスクをょり早くょり精密に伝えられるょうになっても,住民が「自分の家は大丈夫,これまでも大丈夫だった」と楽観バイアスにとらわれていれば逃げ遅れてしまう。避難に適した道路を新設しても,災害時に人がふだhの使い慣れた道に固執するなら,有効な避難経路は十分に機能を発揮できない。さらには,非常に大きな災害リスクを伝えられると,かえって避難を躊躇してしまうことさえある。なぜ,そういった不適切な判断が災害時にとられ,不合理な意思決定が災害準備段階においてなされてしまうのだろうか。