三菱ガス化学（株）におけるDMFCスタック及びリチウムイオン電池併用発電システムの開発

摘要

三菱ガス化学（株）（以下MGC）はメタノール合成触媒技術を元に世界展開するメタノールのメジャーサプライヤーであり、サウジアラビア、ベネズエラ、ブルネイを拠点としてグループ全体で750万トン／Yの生産能力を有する。MGCはメタノール利用技術開発の一環として、1999年にダイレクトメタノール燃料電池（Direct Methanol Fuel Cell，DMFC）の研究を開始した。MGCの得意とする触媒技術を生かして電極触媒を開発した上で、触媒層·MEA、スタック、発電システムまで一貫して自社開発を行っている。また、DMFC燃料としてメタノール水溶液「メタミックス」を市販している。メタミックスは元々メタノール水蒸気改質による水素製造装置（MHプロセス）用の原料として開発したもので、既に量産·販売中の製品である。MGCはメタノールのメジャーサプライヤーであり、原料メタノール及びメタミックスの品質保証·安定供給が可能である。本稿ではMGCのDMFC開発について、最近の進捗を中心に紹介する。