固体高分子形燃料電池の凍結起動により生ずる性能劣化の特性と診断技術適用の研究

摘要

固体高分子形燃料電池（PEFC）を自動車用や家庭定置型発電用に実用化する課題の一つである耐久性は、自動車用として5,000時間、家庭定置発電用として40,000時間が当面の目標とされており、電解質膜や電極触媒など主要構成材料の耐久性向上を中心に開発が進められてきた。しかしながら、環境条件や運転条件による性能劣化が報告されるようになっており、実市場における環境や運転条件での耐久性を向上させる研究開発が数多く行われている。運転条件や放置環境などによる性能劣化の特徴は、条件によって劣化部位が異なること、複合された部位の性能·機能の劣化が起こり得ること、さらには部位間の境界である界面で機能の低下が発生し得ることなどから、原因の解明に関しては幅広い診断法の適用や、軽減のためにも複合的な対策が必要であることである。