ヘッドマウントカメラ画像と固定カメラ画像を用いた頭部位置・姿勢推定

摘要

固定カメラと移動カメラからなる多視点システムを用いて人の頭部運動を推定する手法を提案する．人間の行動の記録やインタラクションの解析において重要となる人物の位置や視線方向（注視物体）を記録するため，固定カメラと人物頭部に装着した移動カメラ（ヘッドマウントカメラ）による連続撮影を行うシステムが提案されている．本論文ではこのようなシステムで得られる映像情報から，シーン中の各人物の頭部位置・姿勢を推定することを考える．提案手法ではまず移動カメラと固定カメラの観測を利用し各人物位置の追跡を行う．推定された人物の位置変化を用いて移動カメラ上での人物・背景領域の移動を推定し，移動カメラの画像と比較することによりカメラの位置・姿勢を推定する．これにより，シーン中の全人物の三次元位置とカメラを装着した人物の頭部運動が推定できる．実験では提案手法の位置・姿勢推定精度を評価し，本手法の有効性を示すとともに，実際の対話シーンに対する提案手法の適用例を示す．