石炭粉の熱履歴による生型砂への影響

摘要

生型鋳造工場の約90％は石炭粉を使用している。 生型砂に石炭粉を添加する目的は，注湯時に気化することで鋳型と溶湯界面でガスフイルムあるいはラストラスカーボンを形成して焼付き欠陥を防止するとともに，鋳肌や型ばらし性を改善することである。 また，鋳型内を還元雰囲気とすることでピンホール欠陥やドロス欠陥の対策として有効である。これまでに，新砂の生型妙に石炭粉を添加して生型砂特性を調査したものは数多く報告されている．しかしながら，石炭粉は注湯時に熱影響受けた後，生型妙に残存し生型砂特性を変化させるが，これに関する詳細な調査はまれである。そこで，本研究では石炭粉を添加した新砂の生型妙に対して，注湯繰返し実験を行い，順次，生型砂特性がどのように変化するか調査した。また，石炭粉は様々な銘柄が市販されていることから，石炭粉の種類を変化させ，その特性と生型砂特性の関係や石炭粉の代表的な効果である焼付き欠陥に対する影響を評価した。