特集「球状黒鉛鋳鉄における黒鉛粒数増加の新しいメカニズム」

摘要

球状黒鉛鋳鉄が発明されてから，約70年が過ぎました．過去には，如何にして黒鉛を丸くするかという研究が多く行われて来ました．しかし，近年では黒鉛の球状化に関しては殆ど問題がなくなり，如何にして黒鉛粒数を増加させるか，に課題が移っています．球状黒鉛鋳鉄の黒鉛粒数増加に関しては，黒鉛核に関するもの，元湯のS量に関するもの，接種条件に関するものなど，多くの項目が考えられます．また，黒鉛粒数の増加は，ひけ性や機械的性質とも深く関係している重要な項目です．このような背景に関連して，2018年5月に開催された日本鋳造工学会第171回全国講演大会（神戸国際会議場）では，「球状黒鉛鋳鉄における黒鉛粒数増加の新しいメカニズム」と題したオーガナイズドセッションを企画したところ，沢山の皆様にお集まり頂きました．