HDH法で製造したチタン合金粉末の3Dプリンティング用原料粉末としての可能性

摘要

これに対して水素化脱水素法（Hydride-DeHydride法，以下HDH法と表記）によって製造されるチタン合金粉末（以下HDH粉末と表記）は粉砕粉であることに起因して異形状であるために，流動性が悪くAM原料としては使用されていない．しかしHDH粉末は原料としてTi-6Al-4V合金の切削切粉を使用できるという特徴がある．Ti-6Al-4V合金の切削切粉は相当数発生しているが，溶解用原料としてはあまり利用されておらず一般的にチタンスポンジや純チタンの切削切吟と比較して安価である．またTi-6Al-4V合金切削切粉の使用は，合金元素であるAl，Vの母合金を必要としないという利点もある．このような理由により，筆者らはTi-6Al-4V 合金のHDH粉末は安価に製造できる可能性が高いと考えている．AMによって製造されたチタン合金部材がより一層幅広く使用されるためには，使用する合金粉末の低廉化も必須である．そこで球状粉よりも安価に製造できる可能性の高いHDH粉末のAMへの使用可能性について検討した．