Al-Si合金を含むカーボン材料分散アルミニウムヒートシンクの熱·熱機械特性評価

摘要

高性能ヒートシンク材料開発を目指した炭素繊維およびグラファイトフレーク分散アルミニウム基複合材料の粉末冶金的手法による作製とその熱·熱機械特性を紹介した．材料作製時にアルミニウムよりも融点の低いAl-Si合金をわずかにアルミニウム粉末に加えることで，簡便に複合材料の緻密化を達成した．Al-50 vol.% CF複合材料では炭素繊維の配向方向で258 W/mKの熱伝導率と7.0 × 10~(-6)/Kの熱膨張係数を示した．したがって，炭素繊維の配向方向の制御により，アルミニウムの持つ熱伝導率を維持したまま，ヒートシンク材料に要求される熱膨張係数を得られる可能性がある．また，炭素繊維同士の接触はAl-CF複合材料の熱膨張係数のさらなる低下に寄与することが明らかとなった．