機械技術者か見る「ものづくり」材料工学(3)：強度·剛性,軽量化設計と材料

摘要

「ものづくり」とは，目標機能（仕様）を商品として実体化することであるが，当然のことながらその機能を常識的な年数（耐用期間），持続させなければならないのは社会通念である．すなわち，「ものづくり」には寿命設計が大前提にある．製品寿命は企業戦略に関わることでもあり開示されないのが普通であるが，例えば，家電製品の寿命は製造物責任(PL)法の絡みもあり10年前後を企図していると思われる．なお，自動車などで重要保安部品として耐用年数を強く意識しているものや，ある種の構造物·設備（事業用アンテナや送受信装置など）では耐用年数が法的に定められているものもある（法定耐用年数）．いずれにせよ，製品の機能設計に当たっては強度（寿命）を最優先させるのが暗黙の前提である．更に，強度に加えて，目標機能として剛性設計が求められる製品もある．