「直角·水平」の世界'60年代 機械保全の現場（5）/クレーンの点検と修理

摘要

当時のこの製鉄所には，多数のクレーンがあった。 資料がないのでうろ覚えの推定だが，製鋼工場や圧延工場などの建屋内に設置されている「天井クレーン」がおよそ150台，岸壁のアンローダをはじめとする屋外の「ジブクレーン」がおよそ50台というところであろうか。 これらは「労働安全衛生法」および「クレーン等安全規則」という法規により定期点検が義務づけられている。運転士が毎日行う日常点検にはじまり，月例点検，年次点検とあって，年次点検のうち3年に1回は「法定検査（あるいは性能検査）」と呼ばれる。月例までの点検はそのクレーンの所管部課に任されているが，年次点検は製鉄所内の専門家が組織するチームによって行われていた。 主催するのは「安全管理課」で，これに溶接，リベットなどの鋼休部分を担当する工機部鉄工課，機械部分を見る工事掛乱電気関係の電気課，それに変わったところで土建部の線路課といっためhめhが参加する。