ナノ粒子の生体反応性と為害性発現

摘要

材料のサイズがマクロからミクロ，ナノに微小化したときの効果として代表的なものは比表面積増大効果による化学反応の活性化であるが，これとは別に生体との相互作用に基づく微粒子特有の効果も現れる．これらは人間の意図する目的と合致すれば高機能性というメリットとして作用するが，一方また意図せずして為害性というデメリットとして発現する可能性もある．マクロとは異なり，ナノ粒子は本質的に高機能性と刺激性の二面性を併せ持つことを認識する必要がある．