セラミックス博物館（4）/陶磁器製作の実際

摘要

前号の展示室で陶磁の製作手順を知ったから，ここでは実際の製作を見て頂こう。 まず，赤土か白土か鍋土（火に掛ける土鍋用の土），志野など名産地の土，あるいは磁土などを選び（2種の土を混ぜる場合もある），十分に練り，成形に取り掛かる。陶器の工場ではなく，陶芸家の工房か陶芸教室での製作を考えると，次のような成形法のどれかを選ぶことになる。 A）電動轆轤：モーターで回転させる回転台の上に粘土塊を載せ，ある回転速度の下で，両手を使って鉢，茶碗でも花瓶でも濡らした掌と指先だけで作り出すことが出来る。 既に前展示室の図4（b）にその装置を示した。 通常，ろくろ作りと称するのはこの方法であり，陶芸家はこれを何年か掛けて修得する。尤も世の中には電動ろくろも足蹴りろくろも廻さない陶芸家もいる。 ，決まった方式や免許証如きものはなく，焼き物作りは自由であるから。