やってみて初めてわかる材料の不思議（7)鋳物作り

摘要

鋳物とは鋳造で作られた品物のことです.鋳造とは金属の加工方法の一つで，金属を溶かし，作りたい形の空洞を持つ型に流し込み，冷やし固めて形を作ることです.人類は紀元前4000年頃から，自然金や銀を利用して鋳物を作り始めました.その後，紀元前3000年頃には青銅を鋳造して武器や農具，日用品を作る青銅器時代を迎えます.そして現在でも人類は鋳物を作り続けています.鋳造は，鍛造(叩いて形を作る）や切削(削って形を作る）など他の加工方法よりも，作ることができる形状の制約が少ないこと，また大量生産に向いていてリサイクル性も高いなどの長所があります.例えば，私たちが一番利用している金属は鉄で，鉄の用途先で最も多いものは自動車です.そして自動車は，重量の約1割が鋳物でできていると言われています.このように鋳物は今でも私たちの生活の中でたくさh使われています.他にも身近なところでは，鍋，フライパン，ドアノブ，ミニカー，キーホルダー，マンホールなどに鋳物が多く使われています.ここでは実際に鋳物作りをしてみたい人のための方法を紹介したいと思います.ステップアップ学習として，低融点合金の自作や低融点金属原材料を使った結晶作りについても触れたいと思います.