粒子法を用いた遠心鋳造時の溶湯内せh断流れ挙動の解析

摘要

遠心鋳造は鋳型を高速回転させながら鋳込む鋳造法で，様々な長尺パイプ形状製品の製造に用いられている。高速回転する鋳型に鋳造することで，引け巣の少ない緻密な鋳塊が得られる一方で，ラミネーション偏析といった欠陥がしばしば問題となる。遠心鋳造品に生じる偏析欠陥は，自由表面のゆらぎや円周方向のせh断力による等軸晶の動きに起因すると考えられているが，実機におけるその場観察が困難なことなどから，水や透明有機物を用いた可視化実験が行われている。一方で，実際の鋳物に近い物性値を用いた場合の挙動を予測するために，コンピュータを用いた数値解析によるアプローチも試みられている。なかでもラグランジュ系解析手法の一種で多相·多領域間題の移動現象に適する手法として粒子法が注目されている。