鋼板用ニアネットシェイプ連続鋳造の現状（レビュー）

摘要

最近進展がめざましい鋼板用ニアネットシェイプ連続鋳造の現状と課題について述べた。 （1）TSCーコンパクト圧延プロセスは低·中級薄鋼板を対象に普及の段階に入っている。 今後，本法が高級薄鋼板を安定して製造できる技術生み出すか否かが次の拡大の鍵を握っている。 （2）SC法はオーステナイト系ステンレス鋼を対象に商渾機が稼働し始めた段階であり，品質に対する市場評価とプロセスとしての経済性は定まっていない。 本法はエネルギー削減や環境負荷低減の視点から薄鋼板製造の究極プロセスとしての魅力にかわりはないものの，まだ多くの技術開発の余地を残している。 本法が普及の段階に至るためにはしばらく時間を要するように思われる。