設備保全管理システム適用のポイント

摘要

従来まで，石油·石油化学プラントにおいて導入されてきた設備保全管理システムは，保全業物担当者に対する業務支援の目的で，主として機器仕様管理機能，検査·保全履歴管理機能そして工事予算管理機能から構成されている。 しかしながら，最近では熟練者の減少，保全費の削減，設備の老朽化，保全作業の委託化，より安全な設備であることの具体的な説明資任など，新たな対応が要求されている。これらの課題を解決するためには，近年高度化したコンピュータおよび通信技術を活用することが1つの対策とされている。 そこで，近年CMMS (Computer Maintenance Management System)という分類で設備保全管理システムが定義されているが，この狙いとしては，図1に示すように設備保全管理業務に関わるあらゆる兼務が作業項目（作業指示）をベースとしたデれタで統合化されることにより，プラントの管理指標を算出したり，ワークフローを確立するなど，作業の標準化，安全化を図ることである。また，CMMSのより上位概念として，企業の経営戦略としての設備保全管理を確立する狙いでERP (Enterprise Resource Planning)との統合を意識したEAM (Enterprise Asset Management) というコンセプトが，注目されている。これは，プラントの事業資産としての価値を数値化し，グローパルな経営環境への対応を図る狙いがある。