電磁超音波を利用したガイド波探傷システムにおける送信波の方向制御方法の検討

摘要

そこで，配管全面を広範囲に探傷し，減肉位置を特定することを目的として，国内でも研究が進められている超音波であるガイド波を用いた超音波探傷システムについて開発を行った。本システムの特徴は電磁超音波センサを使用し，ガイド波を伝搬させるものである。著者らは，本システムの探傷に関する基本特性の確認として，探傷距離特性及びきずの検出性能の確認試験を行った。さらに，本システムを発電所の実機配管に適用し，減肉の検出性能，エルボ管の影響，保温材の影響等を明らかにし，本システムが配管に発生する減肉や腐食の位置検出に有効であることを確認した。本報告では，実機適用試験の結果から，探傷感度の向上及びガイド波の伝搬方向の制御についての改艮を行った。その結果，従来のシステムよりも探傷範囲が拡大した。これにより効率的な減肉調査が可能となると考える。