高圧容器規格(HPIS)

摘要

近年、超高圧容器がCIP/HIP、石油化学などの工業分野で数多く建設運転されている。 このような機器は、設計条件が超高圧、高温、繰り返し運転など厳しい環境にあり、従来のASME Code Section VIII Division 1及びDivision 2（以下、Div.1及びDiv.2と呼ぶ）より合理的な設計、製作、品質保証が可能な新しい超高圧容器を対象とした規格の必要性が叫ばれてきた。 このような産業界の要求に応えて、平成9年5月にASME Code Section VIII Division 3（以下、Div.3と呼ぶ）が発行された。 これらの海外の動向を背景として、日本高圧力技術協会圧力容器規格委員会高圧容器規格分科会が平成9年12月に発足した。 高圧容器規格分科会ではDiv.3の設計理念の調査、Dv.3適用のケーススタディを実施し、Div.3をベースとした高圧容器規格を作成した。 著者は高圧容器規格分科会の代表としてDiv.3の改訂審議を行っているCode CommitteeのmemberにASMEから任命されCommittee審議に参加している。 このなかでDiv.3のバックグラウンドや改訂動向の情報を入手するとともに、日本からも多くの改訂案を提案し最新のDiv.3に採用されている。ここではDiv.3をベースとした高圧容器規格の設計理念、規格の構成や内容、特徴及びそのバックグラウンドの要点について解説する。