実運用にみる画像処理検査技術の活用事情－現場事例にみる運用と評価：医薬品品質保証における自動外観検査機の活用事例

摘要

医薬品の品質保証の中で外観品質保証は大きな位置を占めており，医薬品の製造に係わる会社は必ず何らかの外観品質保証システムを保有している。 元々外観は人が目で見て判断するものであるため，外観品質保証システムも歴史的には人による目視検査から始まった。しかし，人による目視検査では人であるが故の欠点（個人差による検査精度の揺らぎ，連続作業ができないなど）のため，必ずしも継続して安定な検査を行うことが出来ないことが多かった。また，検査処理能力にも限界があり，高速·大量の処理には不向きであった。 したがって，近年のコンピュータ技術の発展に伴う高度画像処理技術に基づく自動外観検査機が市場に提供されはじめてからは，特に処理能力の高さ，検査精度の安定性が着目され，急速に医薬品製造工程の各所に採用されることになった。本稿は弊社で採用している自動外観検査機について紹介し，医薬品製造における外観品質保証の理解の一助とすることを目的とする。