近未来テクノロジー“マイクロ化学プラント”の可能性：マイクロチップにおける検出法とマイクロ分析システム

摘要

数cm四方のガラスやシリコン，プラスチック基板に作製した数10～100μm程度の微細流路（マイクロチャネル）を利用して，分析化学操作を基板上（マイクロチップ）に集積化する研究は，μ-TAS (Micro Total Analysis Systems)あるいはLab-on-a- Chipと呼ばれ，分析化学はもとより機械工学や電気工学の分野で大きな注目を集めている。また，最近ではマイクロチップの微小空間は，化学反応（特に有機合成反応）を行うのに非常に有利な特徴を持っていることから，微小反応器（マイクロリアクタ）としても大いに期待されている。本稿では，最初にマイクロ化学システムに用いられている検出法について紹介した後に，我々が構築してきたマイクロ化学システムについて紹介する。