ばね鋼の腐食疲労寿命におよばす合金元素の影響

摘要

自動車重量の軽量化は燃費改善と高性能化に大きく寄与するため，自動車のサスペンション部品として用いられる懸架巻きばねにおいても，高強度化によるばねの細径化や巻数の減少による軽量化が図られてきた。たとえば，引張強さが1700 MPaで用いられる高炭素鋼系のSUP7製巻きばねは，低湿焼戻しで引張強さ1900 MPaを確保した中炭素鋼系低合金鋼（以下，開発鋼）製の軽量ばねに置き換わりつつある。