抗TNFalpha抗体抵抗性のベムプロリズマブによる難治性大腸炎の1例

摘要

症例は42歳男性.肺扁平上皮癌cT2bN3M1bStage IV Bと診断.2次治療としてぺムブ口リズマブ (pembrolizumab ： PEMB)を開始し薬剤性大腸炎を発症した.プレドニゾロン（prednisolone),抗TNFalpha 抗体抵抗性のため，タクロリムス（tacrolimus)を用いた.腹痛および下血の改善が得られたものの寛解は 得られなかった.本薬剤による国内での重症な大腸炎の症例報告は未だ存在しない.国際第III相試験の結果 からはその頻度は稀であるが，報告例の多くは重篤な経過をたどっている.本薬剤による大腸炎は重篤化し やすく治療抵抗性の可能性があることを理解する必要がある.