肺癌患者の癌性疼痛および疼痛関連愁訴に対する線治療の一症例

摘要

【目的】近年、担痛患者の抱える様々な愁訴に対して鍼治療の有効性が検討されており、特に疼痛に対して有効であったと報告されている。今回，原発性肺癌から全身へ遠隔転移が認められ、疼痛、全身倦怠感、食欲不振、不眠などの多愁訴が認められた症例に対して、鍼治療を行い愁訴の改善が得られたので報告する。 局⒗?9歳男性。 平成13年11月に左頬部腫瘤を自覚し、また腰部、右背部、右大腿に疼痛を自覚したため当院呼吸器内科を受診した。 精査の結果、原発性肺癌及び全身転移（cTM分類：StageⅣ）と診断された。 入院当初より強い疼痛を認めており、モルフィネ剤等で徐痛を行うも疼痛管理が困難であったため、鍼治療が平成14年1月11日より開始となった。