鍼適応症を見うけるて第4弾）WHO適応症リストの再考と鍼臨床試験のデザインー

摘要

1979年、Bannermanによって紹介されたrWHOの鍼に対する見解」のなかで挙げられた「鍼適応症リスト41疾患（43疾患）」および、1996年WHOの草案として紹介された「適応症49疾患」が、わが国の鍼灸業界で広く流布している。これらは、個人の鍼灸院から業団にいたるまで、それらのホームページやポスター、ちらしに引用され、鍼灸の普及宣伝に利用されている。その際、往々にしてこれらの適応症リストは、WHO（世界保健機構）があたかもその効果を認めたかのように表現され、巷間でもそのように誤解されていることが多い。 これらの適応症リストは経験的にどのような疾患に鍼治療が用いられてきたかを列挙しているにすぎない。それらのリストのうちエビデンスがあるものは現状ではまだ少ないのが実情であるためその情報を整理しておきたい。