ICD-11への伝統医学導入の意義と使命

摘要

2019年5月のWHO (世界保健機関）総会で、ICD-11(疾病、傷害及び死因の統計分類（略称：国際疾病 分類)第11版）が採択されました。現在用いられているICD-10から、約30年ぶりの改訂になります。一般 にはTVゲームのしすぎによるゲーム障害がWHOに認定された、という報道が注目を集めました。緘灸業 界としては、現代西洋医学の分類であるICDに、緘灸?漢方を含む東アジアを中心とする伝統医学の分類 が新たに含まれたことが、メルクマールとなる出来事と言えるでしよう。ICDは、WHOが保健医療福祉分野の統計について国際比較を可能とするために開発した、国際統計分 類の1つです。アルファベットと数字を用いたコード（例：A37 (百日咳））で表されます。100年以上の 歴史があり、日本でも死因分類や疾病分類として人口統計、医療統計、保険請求、DPC等、幅広く用いら れています。さまざまな改訂を行ったICD-11は、プライマリ?ケアや研究等にも用いられることが期待 されています。