フランス人対象研究法2012年改正「臨床研究」の新たな仕分けを主眼として

摘要

フランスでは，人対象研究の公的管理を行なう法令は，1988年の最初の立法以来，日本でいう 臨床研究と治験の区別なく，人を対象とするすべ ての研究を対象とするのが理念であった.だが実 際の法規定は瞹眛な部分を含hでおり，現実に合 わせ過不足のない管理ができるよう求める声が繰 り返し起こり，これまで数度の改正を経てきた.このたび2012年初めに成立した改正は，そう した人対象研究の仕分けのしかたの総決算とみる ことのできる内容になっている.また研究を管理 する体制も，再三指摘され改善が求められてきた 点について改正が実現した.その意味でも2012 年改正は，フランス人対象研究法の四半世紀に渡 る積み重ねの集大成といえる.本稿では，その概 要を紹介し，日本での議論の参考に供したい.