生体の希土類元素暴露と体内への取り込みの検討--生体試料中希土類元素の高感度定量法

摘要

希土類元素は先端産業分野で用いられ使用量が増加しているが、その生体影響については不明な点が多い。 我々はこれまで実験動物を用いて希土類元素の生体内挙動を検討し、マウスに投与した一連の希土類の分布や排泄挙動は元素と投与量および投与経路により異なることを明らかにしてきた。 希土類元素は地殻中には比較的豊富に存在するが、生体中とくに哺乳動物体内には極わずかしか存在していない。 そこで、食物、水、大気から、または職場環境から、希土類元素がどの程度生体内に取り込まれ、蓄積するのかを知るために、生体試料中の希土類元素の高感度定量法を検討し、ヒトおよび実験動物試料に応用した。