面内反転負荷試験法による工業用純鋼板のstrength differential効果の検証

摘要

材料試験法が高度化する現代においても金属薄板材の汎用的な単軸圧縮試験法は確立されていない．既存手法は専用試験機や高コストの試験治具を導入する必要があり、必ずしも実験の実施が容易でない場合も想定された?このことから、著者らは万能試験機を用いて薄板の面内単軸圧縮試験が実施できる手法1）について開発を行ってきた?開発した単軸圧縮試験法と従来の単軸引張試験法をもとに、予ひずみを受けた銅合金板では引張及び圧縮試験結果の力学的特性に大きな差異が生じること2）3）、低炭素鋼板では降伏直後から圧縮側の流動応力が引張側を上回り、StrengthdifEerential効果（以下、SD効果）が発現すること4）を明らかにしてきた．