抗菌光線力学療法によるインプラント体表面に付着した歯周病原細菌に射する殺菌効果に関するin vitro硏究

摘要

近年，インプラント周囲炎の治療法に抗菌光線力学療法（antimicrobial photodynamic therapy ： a-PDT)の臨床応 用力"食討されてきている.本研究は，培養した歯周病原細菌が付着したィンプラント体表面に対するa-PDTによるin vitro における殺菌効果について検討を行うことを目的とした.歯周病原細菌としてPorphyromonas gingivalis ATCC33277株 {P. gingivMis), Aggregatibacter actinomvcetemcomitans ATCC43718株(A. actinomvcetemcomitans)を培養し，各培養液中 にインプラント体を48時間浸漬した.処置群として，無処置のControl群，メチレンブルー（MB)塗布のみのMB群， レ―ザ一照射のみのLaser群，MB塗布後レーザーを照射したa-PDT群とした.その結果/ gingivalis,hactinomycetem-comimns共に,a-PDT群は，Control群，MB群，Laser群と比較して有意に生菌数が減少した.またMB群は，Control 群と比較して有意に生菌数が減少したが，Control群とLaser群との間には有意差は認められなかった.さらにlipopolysac-charide (LPS)活性の測定では，P. gingivalis,A.actinomycetemcomitans共にa-PDT処置後のィンプラント体表面からLPS が検出された.以上の結果から，a-PDTはインプラント体表面に付着したP. gingivalis,hactinomycetemcomitansに対して殺菌効果が あるが,LPSは残存するため，インプラント体表面の除染を行うためには，a-PDTに加えて，機械的清掃法を併用する 必要があることが示唆された.