節分法に画像解析を応用した新しい咀嚼機能検査法

摘要

要旨：本研究の目的は，節分法に画像解析を応用した新しい咀嚼機能検査法を構築することである．被験者は，顎口腔系に異常を認めない天然歯列者（実験1：6名，実験2：4名）とした．咀嚼試料として約3gのピーナッツを選択した．実験1では咀嚼粉砕された咀嚼試料（以下，粉砕試料と略す）を篩い分けし，鯨上に残留した粉砕試料（以下，残留試料と略す）の粒子の面積から，その粒子の重量を予測する三次近似式（y＝-0．0001が＋0．0339X~2＋1．0987Ⅹ）を得た．実験2では，実験1で得た三次近似式を応用することにより残留試料の二次元画像から，同残留試料の重量の予測値（以下，予測重量と略す）を算出するとともに，乾燥処理後における残留試料の重量（以下，実測重量と略す）を計測した．その結果，残留試料の予測重量と実測重量との間には高い相関関係（r＝0．984，p＜0．0001）が認められるとともに，一次近似式（y＝0．6354X-28．689）が得られた．以上より，節分法に画像解析を応用した新しい岨噂機能検査法は歯科臨床上有用となる可能性が示唆された．