篩分法に画像解析を応用した新しい阻嚼機能検査システムの構築-新たな阻嚼試料撮影装置の開発-

摘要

要旨：本研究の目的は，新しい咀嚼試料撮影装置と画像解析プログラムの開兗を行い，新たな咀嚼機能検査システムを 構築することである.実験1では咀嚼試料（ピーtッッ）を咀嚼粉砕した後，2種類の篩で分けた咀嚼試料（残留試料） の二次元画像より得られた粒子面積と，Manlyらの方法に従って乾燥した後の残留試料の重量（実測重量）から,その粒 子の重量を予測する回帰式を求めた.実験2では，実験1で得た回帰式を応用し，残留試料の二次元画像から残留試料の 予測される重量（予測重量）を算出，および残留試料の実測重量を計測し，予測重量と実測重量との回帰分析を行った. 実験3では実験1,実験2の分析結果を基に，健常有歯顎者20名における咀嚼値を算出した.その結果，実験1で得ら れた三次回帰式を用いて残留試料の二次元画像から算出した予測重量と実測重量との間には，相関が認められた.本方法 を応用して健常有歯顎者20名の平均咀嚼値81.8±7.0%が得られた.以上より,残留試料を乾燥させることなく，同試料 の乾燥処理後の重量を予測することが可能となった.