献血の危機：何故献血者は減り続けるのか？

摘要

わが国の献血者数は，1964年の献血への閣議決定以降，順調に伸び，高校での集団献血も盛hに行なわれ， 1985年には過去最高の870万人（献血率7.2%)に達した.その間に輸血療法は全血輸血から成分輸血へと転換したが，新鮮凍結血漿の使用量が急増したことから， 大量の赤血球成分が廃棄される事態となり，その状況がTVに放映されたりした.また，血槳分画製剤の輸入も急増し，国際的な批判を受けるようになった.そこで，旧厚生省は1986年に400m/全血と成分採血(新採血基準）を導入し，血液製剤の適正使用基準を設け， 血液製剤の国内自給の基本方針を策定した.