統合失調症モデル動物における認知機能障害のメカニズムの解明

摘要

統合失調症は主に思春期から青に発症し，陽性症 状，陰性症状，認知機能障害を伴う精神疾患である.特 に，認知機能障害は患者の社会復帰の妨げとなる.現在 の統合失調症の薬物療法では主にドパミン受容薬 が用いられる.その結果，陽性症状及び陰性症状は軽減 されるが，認知機能障害の改善は十分ではない.患者のQOL向上のために，統合失調症患者の認知機能障害を改善しうる薬剤の探索は急務である.新生仔期腹側海馬(NVH)損傷ラットは思春期以降に 統合失調症患者に特有の感覚運動障害であるprepulse inhibition (PPI)障害などの統合失調症様行動を呈する. 抗精神病薬の投与によりこの行動異常が改善されること から統合失調症病態モデルとして注目されている.