5-ァミノレブリン酸合成酵素の臓器分布と生理的意義

摘要

5-ァミノレブリン酸（以下ALAと略す）合成酵素 [E.C. 2.3.1.37]は，glycineとsuccinyl CoAを基質として，ALA を合成する反応を触媒している.本酵素はピリドキサルリ ン酸を補酵素とレ,反応は二段階で行われている.すなわ ち，glycineとsuccinyl CoAとピリドキサルリン酸が反応し てdelta-amino-beta-ketoadipic acidが生成し，次にこれが脱炭酸 してALAができる.ヘム生合成は8段階の反応で行われる が,ALA合成酵素は最初の反応に働く酵素である.さらに， 本酵素はヘム生合成の律速段階となっており，逆に，本酵 素の生合成はヘムによってfeed back調節を受けている（五 十嵐（伊藤）ら，1975;林ら,1976; Igarashi (Itoh), J.,et al,1976). 本酵素は全身のほとhどの組織に存在するといわれている. 動物系のヘムは骨髄の造血細胞で70～80%合成され，肝臓 にも多量存在する.