食品·薬品マテリアルフロー高度化への道－テーマ論説(1)農林水産省：トレーサビリティ高度化で食の安全·安心システム構築－フードチェーンを網羅する仕組みの確立へ

摘要

1962年に設立されたFAO（国連食糧農業機関）とWHO（世界保健機関）の下部組織で政府間機関でもあるCodex委員会における検討の結果，「トレーサビリティ／プロダクト·トレーシング」，「生産，加工および流通の各段階を通じて食品の“移動を追跡する能力”」と定義された。 同様に，ISO22005でも同委員会と同様の定義で検討が行われている。 農林水産省では，平成16年3月に策定した「食品のトレーサビリティシステム構築に向けた考え方」において，「生産，処理·加工，流通·販売等のフードチェーンの段階で，食品とともに食品に関する情報を追跡し，遡及できること」を現段階ではトレーサビリティの概念としてとらえているが，トレーサビリティの定義についてはCodex委員会の定義の表現に合わせることを検討している。 以下には，農林水産省のトレーサビリティシステム導入促進策と現状について述べることにする。