標識合成化学：疾患対応新規分子プローブの設計と高速C－［~(11)C］メチル化

摘要

PETで用いられる主なポジトロン核種としては,~(11)C（炭素11）,~(13)N（窒素13）,~(15)O（酸素15）,~(18)F（フッ素18）,および~(76)Br（臭素76）がある。 中でも~(11)C（半減期20分）の利用は,すべての有機化合物がその構造中に炭素原子を有していることから,低·中·高分子量のいずれの有機化合物のPETプローブ化には理想的な放射核種である。 また,~(11)Cを用いると,同じ合成装置で一日に何度もサンプル調製が可能であり,放射性副生成物の長期保管の必要もない。 このような観点から,演者らはこれまで未知であった炭素一炭素結合形成反応による高速メチル化法（商連C－メチル化法,僅か5分で進行する）を考案した。