薬物動態を基盤とする薬剤設計

摘要

トレ一サ一あるいはプローブと呼ばれる放射薬 剤は、PET / SPECT法において根幹をなす要素である。疾患との関連が深い生理的、生化学的な分子·機能の非侵襲測定を目指した放射薬剤開発が行われてきた。また、昨今の遺伝子、分子レベルでの生物医学研究の進展により、様々な疾患の成因や機序に関わる生体分子とその機能が徐々に明らかになつてきた。これらの分子·機能も新たな放射薬剤のターッゲットとして期待が高まる一方である。薬剤開発は、様々な研究形態やアブローチでなされている。演者も長らくこの分野で放射薬剤の開発に携わってきた。そこでの試行錯誤や経験の一端を紹介し、薬剤開発の一つのconceptを理解頂ければと考えている。