5．最近の核医学治療の動向-欧米での放射性薬剤の開発を中心に－

摘要

RI核種を腫瘍部位のみに集積させて、その放射線により治療を行うコンセプト（ミサイル療法）はモノクローナル抗体の産生が容易になる事によって、にわかに現実味をおびた。 しかし、beta線（時にはalpha 線）放出核種にて標識した抗体を投与して治療するというRadioimmunotherapy（放射線免疫療法）を臨床に移行させる事は、予想以上に困難であった。 実験的治療において、腫瘍部位に期待したほどRI核種が集積せず、他の正常組織へ予測した以上にRI核種が集積したからである。