増殖糖尿病網膜症汎網膜光凝固眼における虹彩ルベオーシス合併の有無による眼循環の違い

摘要

目的：増殖糖尿病網膜症汎網膜光凝固眼における虹彩ルベオーシス合併の有無による眼循環の違いを評価する．対象と方法：増殖糖尿病網膜症汎網膜光凝固後の16眼を虹彩ルベオーシス合併あり8眼となしの8眼に分け，眼科諸検査とともに起書波血流検査を施行し比較検討した．結果：虹彩ルベオーシス合併群において有意に高齢化（p＜0．05）と拡張期体血圧の低下（p＝0．01），眼圧上昇（p＝0．03）があり，超音波血流検査では有意な拡張期流速値の低下と抵抗係数の上昇を短後毛様動脈（p＜0．01，p＝0．02）と網膜中心動脈（p＝0．01，p＜0．01）に認めた．虹彩ルベオーシス合併群2眼の短後毛様動脈と7眼の網膜中心動脈に拡張期血流波形の消失を認め，虹彩ルベオーシスなし群では1眼の網膜中心動脈に拡張期血流波形の消失を認めた．結論：増殖糖尿病網膜症汎網膜光凝固眼虹彩ルベオーシス合併群においては，短後毛様動脈と網膜中心動脈両血管の拡張期に著しい流速値の低下が認められ，その現象には眼濯涜圧低下が関係していると考えられた．