経気管支肺生検にて肺胞上皮置換型進展を含む肺原発腺癌（細気管支肺胞上皮型）との鑑別が困難であった膵癌肺転移の1例

摘要

症例は70歳，男性。 既往に胃癌による胃切除ガある。 咳嗽と呼吸困難（HJ－II度）を主訴に当科を初診した。 胸部単純X緑写真で両側中下肺野における斑状影の散在ガ認められ，胸部CTでは左舌区および両下葉胸膜側に気管支透亮像を伴う辺縁不明瞭な結節影の多発ガ認められた。 抗菌薬治療で改善ガなく，その後白色痰の増加とともに呼吸困難ガ増強し，陰影も拡大した。 胸部CT上結節影ガ増加·融合し気管支透亮像を伴う広範な浸潤影となった。 経気管支肺生検を行い，さらにこれらの所見，経過をあれせ肺原発腺癌（細気管支肺胞上皮癌ガ疑れれる）と診断した。 その後，約1年の経過で呼吸不全のため死亡した。 剖検で，膵臓癌の存在ガ明らかになり，最終的に肺病変は，膵臓癌よりの肺転移と診断した。 多発陰影で始まり，肺炎様の画像所見を南し，生検組織像より粘液産生型紙気管支肺胞上皮癌ガ疑われる時，膵臓癌の肺転移も鑑別の一つとして考える必要ガある。