高齢HIV感染者における合併症のスクリーニングと治療

摘要

抗HIV薬の多剤併用療法（anti「etroviral therapy ：以下ART)は，HIV感染者の予後 を大きく改善させた。一方で心血管疾患， 慢性腎疾患，脂質代謝異常や骨代謝異常，認 知機能障害，そして悪性腫瘍などの長期合併 症が，HIV感染者における新たな問題として クローズアップされるようになってきた。 HIV感染者に合併する悪性腫瘍は，大きく つに分けられる。すなわち，「AIDS指標悪 性腫瘍(AIDS-defining malignancies ： ADM」と，「非AIDS指標悪性腫瘍（non-AIDS-defining malignancies ： NADM)J である（図1)。