発熱性好中球減少症に対するミカフアンギンの有効性と安全性の検討

摘要

造血器疾患を有する広域抗菌薬不応性の発熱性好中球減少症CFN)患者25例に対するミカフアンギン(MCFG)の有効件と安全性を検計することにより,本剤が広域抗菌薬不応性のFN患者に対するエンビリソク治療薬となり得るかを検討した。 投与量は50-150mg/日で,平均投与期間は191日間であった.MCFG投与中に真菌症の発症を認めず,総合臨床効果は有効18例,無効4例,判定不能3例で,有効率82% (18/22例)であった。 投与量別有効率は100mg/日が93% (14/15例),投与期間別では8-14日間が75% (9/12例)であった.MCFGの臨床効果は好中球数の回復とともに上昇する傾向がみられたが,投与前の好中球数には大きく依存しなかった.主に肝機能障害に関する有害事象が9例に22件(36%)発現した.以上からMCFGは,広域抗菌薬不応性のFN患者に対するエンビリック治療薬になり得ることが示唆された.