ネベジル塩酸塩OD錠「NP」のアルツハイマー病モデルラットの空間記憶障害に対する改善作用

摘要

アルツハイマー型認知症治療薬ドネぺジル塩酸塩を有効成分とする口腔内崩壊錠であるドネぺジル塩酸塩0D錠5mg 「NP」〔二プロファーマ(橄，試験製剤〕とその先究医薬品ァ リセブトD錠5mg 〔エーザィ標準製剤〕について，アルツハイマー病（AD)モデル ラットの学習記憶障害に対する有効性を比較した。8方向放射状迷路課題（報酬：餅）を 学習したラットに10分間の脳虚血を処置（両側総頸動脈と両側椎骨動脈の閉塞）した後， beta-アミロイド（Abeta)オリゴマー（Abeta_(1-40) ： Abeta_(1-42)= 10：1のオリゴマ一体）を1日1回，7 日間側脳室内に微量注入して，実験的ADモデル動物を作製した。この動物に試験製剤およ ぴ標準製剤をドネぺジル塩酸塩として5mg/kg経口投与し，1時間後に再生試行を行った。 試行成績は，最初の8選択中の正選択数と，8個すベての解を取り終えるまで（最大10分 間）の誤選択数で許価した。脳虚血およびAbetaオリゴマー処置は正選択数の有意な減少と誤 選択数の有意な増加がみられ，明らかな空間記憶障害が惹起された。試験製剤および標準 製剤はいずれも空間記憶障害を有意に改善した。試験製剤群および標準製剤群は正選択， 誤選択ともに同選択数を示し，両製剤間に有意差は認められなかった。以上のことから， 本試験において両製剤は同等の薬理効果を示すこと力S確認された。