骨粗鬆症治療におけるアドヒアランス向上要因の検討-ェビデンスどおりの有効性を得る上での医師から患者への情報提供の重要性-

摘要

本調査は，ラロキシフェン塩酸塩(以下，ラロキシフェン)の有効性を適応患者に最大限享受してもらう治療戦略構築の一環として，骨粗鬆症患者を対象にァドヒアランスに影響する因子の解明を目的に行われた。骨粗鬆症患者13,661名に調査票を郵送し，5,518名から有効回答を得て，回答回収率は40.4%であった。回答を解析した結果，骨粗鬆症の治療開始のきっかけ，治療継続に役立つ情報の提供源，調査時点で少なくとも6力月以上治療を継続していた回答者の治療継続理由のいずれにおいても"医師からの指導"は最上位に位置づけられていた。骨粗鬆症患者におけるラロキシフエンの有効性の最大化には，医師が疾病認識および治療の有用性理解向上に繋がる情報を積極的に患者に提供することと，その際，アドヒアランス向上のためのプログラムを実施することが有効であると考えられた。