薬剤抵抗性の統合失調症に対してプロナンセリンが有効であった1例

摘要

近年,統合失調症の薬物治療では非定型抗精神病薬の使用が中心となりつつある。なかでもプロナンセリンは,ドーパミン2 (D_2)受容体およびセロトニン2A (5-HT_(2A))受容体に選択性が高く,さらにD_2受容体に対する親和性は従来の非定型抗精神病薬より強い特徴を有しており,統合失調症治療に対しての高い有用性が期待されている。今回我々は,複数の非定型抗精神病薬に対して治療抵抗を示した統合失調症の症例にプロナンセリンを使用し,病的体験が速やかに軽減した1例を経験したので報告する。