後期高齢過活動膀胱患者に対するトルテロジンの安全性,忍容性および有効性 使用実態下における検討

摘要

過活動膀胱(overactive bladder : OAB)とは,尿意切迫感を必須とし,通常,昼間または夜間頻尿を伴い,切迫性尿失禁の有無は関わない症状症候群である.OABは高齢者で多くみられ,本邦の疫学調査によると60歳代では12%, 70歳代では23%,　歳代では37%と,加齢とともにその有病率は高くなり,特に後期高齢者(75歳以上)で高いことが示されている。OABの治療の中心は薬物療法であるが,高齢者では一般に生理機能が低下していることが多く,他臓器疾患の合併も高いことから,薬剤選択にあたっては有効性だけでなく安全性および忍容性を十分考慮する必要があり,副作用に対する十分な注意が必要である。