9カ月間生存し得た形質細胞性白血病の1例

摘要

形質細胞性白血病（plasma cell leukemia；PCL）とは末梢血中に腫瘍性形質細胞を20％以上認め，かつその絶対数が2000/ul以上であると定義されている．PCLは多発性骨髄腫（multiplemyeloma；MM）の病歴を伴わずに発症する一次性とMMの病勢の進行による場合の二次性とに分類される．MM症例でPCLへ進展する頻度は1～2％と比較的稀であり，その臨床的特徴としては肝，脾，リンパ節などを含む多臓器への浸潤が高頻度に認められ，生存期間中央値が2カ月と予後がきわめて不良であることが知られている．今回われわれは二次性PCLに進展してからVAD療法（vincristine（VCR），adriamycin（ADM），dexamethasone）に奏効し，約9カ月間という比較的長期に生存し得た症例を経験したので報告する．