6 コースのR-CHOP療法直後に中枢神経浸潤をきたした 肝原発悪性リンパ腫

摘要

患者は72歳，男性，食思不振を主訴に当院を受診し，CTで肝臓に限局した腫瘤性病変を認めた.肝腫瘍の病 理組織は，びまh性大細胞型B細胞リンパ腫（DLBCL)であったため，肝原発悪性リンパ腫（PHL)と診断し た.6コースのR-CHOP療法後，FDG-PET/CTで肝腫瘍の異常集積は消失したが，7コ一ス開始前より，頭痛 と左同名性半盲が出現した.CTで右後頭葉に腫瘤性病変を認め，腫瘍生検でDLBCLと診断.リツキシマブ併用 メソトレキサ一卜高用量療法を行ったが効果がなく，放射線療法で腫瘍は縮小した.PHLは節外性リンパ腫の 0,4%で，化学療法の奏効例が多く，早期の中枢神経浸潤は稀である.稀な疾患であるPHLの化学療法奏効症例 で，早期に中枢神経再発をきたしたので報告する.