小児急性白血病の治療戦略と成績子供から大人へのメッセージ

摘要

小児急性白血病の治療成績は，近代医学治療のなかで，もっとも劇的に発展したものの一つである。 現在，急性リンパ性白血病（ALL）の70％以上の患児は完全に治癒し，社会に復帰している。急性骨髄白血病（AMDにおいても50％の症例が治癒されている。 患児は治癒された後も，40年，50年以上の人生を歩いていく。 この人生が晩期障害や二次癌などの病災で苦しむことがあってはならない。とくに，治療に伴う二次癌の発症は治療医の責任であり，避けねばならない重大事になってきている。